自衛隊は、朝8時に国旗掲揚がある(艦艇だと自衛艦旗)。教育隊では、だいたい15分前くらい前にはその場所について並んでることが多い。
15分前て。早すぎるよな。この15分あれば色々できるのに!と、ほんとに無駄な時間だと思っていた。
そして何が嫌かって、立ってる間、国旗掲揚後に行われる分隊整列に思いを巡らせ、ひたすらおびえるはめになる。そして「ああ、今日も1日始まってしまう・・・」という、憂鬱感がおしよせる。サザエさん現象の比にならない。
国旗掲揚のラッパが終わり、分隊整列が始まる。
「ホヒーホー たーい!」
今日のサイドパイプ下手だなとか、そんなことを現実逃避して考えながら始まる、恐怖の時間。
甲板班長、内務班長、1班長、2班長、3班長
大の大人たちが5人がかりで学生たちの服の皺を探して歩くのだ。
私たちは班長たちが通るときに不動の姿勢をとり、それを嘗め回すように班長たちが見て回る。(ドMなら喜ぶかもしれないが、残念ながら私にはそのような性癖がなかったようだ)
「シワ」「シワ」と呪文のように指摘する班長たちの声が、各所で聞こえ始める。真正面しか見れない私たちは、「一体今日は誰が吊るしあげられるんだ・・・」と思いながら、自分の場所では立ち止まりませんように!!と祈りながら恐怖の時間が過ぎ去るのを待つ。
毎回背中の下あたりを指摘されるけど、ズボンにインしてるんだからシワになるだろそりゃ!なんて言い訳は通用しないので、みんな指摘されると大人しく「はい」とだけ答える。
最悪な朝の恒例行事、シワ探し。
明日も私たちは、シワと闘う。
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